大学入試改革 英語。 英語民間試験見送り、何が問題だったのか? 引き続き個別に使う大学に注意!

大学入試英語成績提供システムについてまとめました!

大学入試改革 英語

なお、この様子は、YouTubeでも確認できます。 文中の(x:xx:xx)はこの動画の中でその発言があった時間を表しています。 さて、今回は、外部有識者を招いて意見を聞いた点が評価できる点です。 これまでも、そして今回の会議でも指摘されているように、大学入学共通テスト(以下、共通テスト)に関連して「民間試験を利用しようとしたこと」「数学・国語で記述式を導入しようとしたこと」について、何度も声をあげたり、警告したにも関わらず、文科省側がことごとく無視を続け、都合のよい意見のみで動いていたことが、今回呼ばれた複数の有識者からも確認されています。 さらに、それまでの文科省をコントロールしてきた関係者の名指しも行なわれました。 今回の議題は以下の通りでした。 新型コロナウイルス感染症への対応状況 2. 外部有識者・団体からのヒアリング(高校生2名を含む) 3. その他 来年度の大学入学選抜と9月入学に関する説明 最初に議題1として資料1に基づき事務局より大学入試と9月入学について説明がありました。 令和3年度の大学入学者の選抜について、まず、総合型選抜(AO入試)及び学校推薦型選抜(推薦入試)の実施にあたっては、受験生が不利益を被らないよう大学に対して配慮を求める通知を出したとのことです。 また、一般入試については、例年6月に入試選抜要項を出しますが、今は、引き続き検討中とのことです。 次に、9月入学については、社会全体の問題であるので関係省庁と協議中とのことでした。 各委員の発表 倉元直樹氏(東北大学高度教養教育・学生支援機構教授) 【概要】 「大学入試学」と称して入試研究と実務に携わる立場から、東北大学の現状を踏まえて意見を述べた。 委員の考えは、「個別試験(国立大学であれば二次試験)」を充実させることが重要であるというものである。 共通テストに関しては、様々な調査から記述式の問題点などを含め、改革はどこかで頓挫することは十分に予想できた。 しかし、何度もこのことを申し上げたがなかなか聞き入れてもらえなかった(0:22:50)。 今回の誤りの発端は、大学入試改革の副作用を意識してこなかったからで、特に理念からの出発したことは誤りである。 今後は出口からの議論(手順を詰めて慎重な吟味をする)が必要である。 さらに、小問単位で入試状況を分析した結果、ほとんどの国立大学が二次試験で記述式を課しているという現状があり、二次試験を基本として選抜することが重要である。 その上で、作題負担の軽減などの支援が必要である。 最後に、可能な限り、大学入試を受検する予定の人達がこれまで目標としてきたことを変えない方向で進むべきであると述べた。 【解説】 エビデンスに基づく説得力のある説明でした。 前回の渡辺委員と同じように「何度も、このままではまずいということを専門家の立場から忠告したが聞き入れられなかった」と発言されたことは重要です。 また、センター試験の大学側の対応は、大学側には負担が重く苦痛であるという発言もあり、これは、第6回の大学入試センター理事長の山本委員の考え方とは異なるものでした。 また、発言の一部は国立大学目線でした。 国立大学の場合、記述式は、英語、数学、国語の3教科だけでなく、理科の中にも多いことを指摘し、募集人員レベルで見ると、記述式を経ないで大学に入学する人は、全体の10%未満であることも指摘しました。 【質疑応答】 両角委員 現状の共通テストは今のままでよいのか、変えた方がよいのか? 良質であるセンター試験が質的に劣化することが心配である。 柴田委員 大学入試学が成熟しないのは何が問題なのか? 岡委員 共通テストと個別試験の役割分担はどうするべきか? 共通テストは受験者の学力層が広いが、一方、個別試験は限られた層なのでそれに適した問題を出すことができる。 清水委員 初等教育と高等教育の接続の問題に関する部分をもう少し詳しく説明してほしい。 芝井委員 入学定員と受験者数のバランスの問題をどう考えるか? 米本さくら氏(東京都立西高等学校3年) 高校生という当事者の立場から自身の留学経験も踏まえた意見を述べた。 英語民間試験の導入は混乱を生むので、大学入試センターが一括して行うべき。 入試の変化でも教育に影響はあったが、それと並行して教育改革として4技能を教えるべきである。 記述式は共通テストでは採用せず、個別試験で促進するべき。 海外で行われているエッセイのように志望理由書などを拡大することもよいのではないか。 幸田飛美花氏(山口県立岩国高等学校3年) 地方在住の高校生という立場から当事者の意見を述べた。 英語4技能の評価は二次試験でやればよい。 導入するとしても詳細な情報を提供できる体制が整ってから始めてほしいし、地域格差も考慮してほしい。 入試改革以前に教育改革をするべきではないか。 【質疑応答】 末冨委員 受験料や交通費などの費用負担の不安はあるか?高校生の意見を聞くべきだったと思うか? アンケートなどで高校生の意見を聞いてくれればよかった。 離島の人はもっと大変。 当事者として戸惑いや焦りがあり、一番に声を聞いてほしかった。 島田委員 入試が教育に与える影響とあるが、ポジティブに捉えているか、ネガティブに捉えているか? 授業に偏りが生じ、入試対策がメインになるのはどうかと思う。 南風原朝和氏(東京大学名誉教授)-(大学入試改革の失敗を中で見てきた人の証言)- 【概要】 テスト理論の立場から意見を述べた。 また、高大接続システム改革会議の元委員でもあり、当時、記述式について反対意見を述べたにも関わらず取り合ってもらえなかった経緯や会議から慎重論の委員が外された様子も語った。 英語から発音・アクセント・語順整序問題がなくなったことも問題視した。 そして、今回の原因を理論的基盤の脆弱さと後戻りしない姿勢であるとした。 【解説】 南風原氏は、高大接続システム改革会議の元委員ですが、英語民間試験の利用などに疑問を持ち、途中から大学入試改革から排除された方です。 文科省側としては、耳の痛い発言が多く出てきましたが、このような方を再び呼ぶことができたことは、現委員の功績の一つです。 南風原氏は大変重要なことを多く発表されました。 少し長くなりますが、重要なことを一通り説明します。 その前に、「なぜ民間試験か? 」を簡単におさらいしておきます。 センター試験の第1問は、発音とアクセントの問題、第2問は語句整序等の問題でした。 この部分が、ざっくりと4技能の「話す・書く」に相当します。 しかし、第1問でいえば、「紙の上に書いたアクセント記号で『話す』ことを問うことになっているのか? 」(間接測定)という意見と、「いや、それでもある程度は意味があるんだ」という意見がありました。 しかし、前者は「これでは話すことを確かめるには不十分だ」「だから、民間試験を利用した方がいいんだ」という論法を繰り出し、民間試験の利用案を強引に進め始めます。 民間試験には、前回に渡部委員が指摘したように不備が多くあるのですが、推進派の人はその指摘を無視してしまいます。 しかも、推進派の何人かが、特定の民間試験業者の関係者であることも発覚し、それまで非公開で決めていた部分も注目され、にわかに決定過程が怪しくなります。 問題点が次から次へと指摘され、昨年11月に民間試験の利用を中断し、しかし、センター試験の第1問、第2問がないままの共通テスト(すなわち、2技能のテスト)が、このままでは来年の1月に実施されそうだというのが現在地です。 さて、南風原氏の意見に戻ります。 まず、最初に大学入試改革が頓挫した原因は2つあり、一つは「(1)気弱な理論的基盤・詰めの甘い制度設計」(砂上の楼閣)もう一つは「(2)工程表最優先・後戻り忌避の姿勢」(止まらない力学)とされました。 そして、この(1)、(2)について詳しく述べました。 (1)については、理念やエビデンスが十分に検証されないまま、改革の掛け声を優先し突き進んだことがあげられました。 例えば、「思考力・判断力」については、曖昧な概念で「学校の先生が、あなたのクラスは思考力・判断力がないと言われても何をどうしてよいかわからない。 生徒もどうしてよいのかわからない。 したがって、このようなものをテストで評価しようとしても道筋が見えてこないのではないか。 」(1:15:37)と発言されています。 そして、民間試験導入に慎重な人達を排除し、民間試験推進派の人達だけでワーキンググループ(吉田研作氏、松本茂氏、三木谷浩史氏、安河内哲也氏など)を作り、非公開で会議をするようになりました。 なお、このワーキンググループにはテストの専門家はいません。 さらに、前回の会議で渡部良典委員の発言にあったように、民間試験導入に危惧した日本言語テスト学会の提言(2017年1月4日)などもことごとくスルーして、民間試験導入に突き進みます。 そうこうするうちに、次のようなことが起こります。 2018年3月10日に、「東京大学として、現時点で業者テストを入学の試験として用いることはあまり正しくないだろうと、ちょっと拙速だろうと考えています」と発言していた東京大学が、わずか1か月半後の2018年4月27日に、「国立大学協会のガイドラインに従い、英語認定試験の平成32年度以降の大学入学共通テストにおける具体的な活用方策について検討することとしました」と急激な方針転換をします。 そして、この間の4月10日下村議員が自民党の教育再生実行本部に東京大学の五神総長ら幹部を呼び出すということがありました。 また、時間は少し遡りますが、2017年9月にある連絡協議会で安河内委員が、センター試験の第1問、第2問などの「間接測定」を2020年度以降も残してよいのかと発言し、それを大杉審議役が改善を約束し、2018年2月に有識者のコメントが紹介されました。 しかし、その「有識者」というのは、元々安河内委員と同じ非公開の会議のメンバーの吉田研作氏と松本茂氏という民間試験を強引に進めてきた一派だったのです。 すなわち、広く意見を聞くのではなく、明らかに賛成する人を選んで「有識者」のコメントとしていたのです。 記述式に関しても、2016年3月25日の高大接続システム改革会議で、南風原氏が当初イメージされていた記述式と比べ、その段階でかなり形骸化されたものになっていることを指摘したものの、安西座長は「ありがとうございました。 ほかにいかがでしょうか」とスルーした形で終わり、もうそのときには問題点を理解しようという姿勢はなかったようです。 要するに、これまでは形式上は会議を開き多くの意見を取り入れるように見えても、実際は、最初から向かうべき方向と結論を出すまでの期日は決定していて、それに都合のよい意見を集めたかっただけということです。 南風原氏は、センター試験の第1問、第2問は、「話す力」「書く力」の間接測定ではなく、「土台となる基礎知識」を評価・育成することで意味があるとする主張です。 そして、今後のことを決める場合は、これまでの反省から「理念は正しいが……」と無批判に言わないこと、エビデンスを活用し、意見の違う専門家の意見を排除しないこと、決定過程の透明化、大学に圧力をかけないことなどが大切だと提言されました。 そして、大学入試で問う「大学で学ぶのに必要な力」は、学習指導要領の変更で急に変わるものではないから、急ハンドルを切るのではなく、また、急仕上げで決めることのないようにこの会議に要望を出されました。 南風原朝和氏への質疑と応答 【質疑応答】 末冨委員 理念が膨張しすぎていると感じる。 最低限決めておくべきルールをどう考えるか? 吉田委員 4技能の学習やスピーキング力は必要ないと考えているのか? 自身の所属する広尾学園の教育は英語教育を推進しており、本日の発言と違うように感じる。 複数の民間試験を入試に使うのが問題と考えている。 広尾学園については特別な狙いをもって一つのやり方としてやっているので、それぞれの学校が特色をもって教育するのはよいと思う。 新井紀子氏(国立情報学研究所社会共有知研究センター長)-(新たな問題点が指摘された)- 【概要】 汎用的読解力調査(リーディングスキルテスト)の専門家として意見を述べた。 これまでの調査から中・低位層では学ぶスキルが欠如していることがわかっており、科目の知識ではなくリテラシー(読解力と記述力)テストをする必要があると考える。 共通テストは国立大向けではなく、ボリュームゾーンの私大向けにするべきである。 内容をある程度限定すれば、数学の記述式の出題も可能である。 【解説】 指摘されたことは大変重要なことです。 情報を正しく読み取る力に欠けるから、正しく学習されないこともあるので、今後、この件は大学入試という限られた範囲ではなく、もっと大きな枠で捉えていく必要があります。 いくつか気になる点がありました。 持ち時間の短さも関係したと思われますが、発言の根拠が一般の人が確認できないものや何を根拠にしているのか不明のものもありました。 中には、これまでの本会議での説明と異なることもあったので、念のため触れておきます。 例えば、次のようなものです。 (例1)第5回の会議のときに文科省側から配布された資料には次のようなものがありました。 センター試験の受検を必要とする大学の定員枠は、国公立大学10万824人、私立大学6万3875人(大学入試センター調べ)だというのです。 これに対して、新井氏は、「今、センター試験のメインの利用者は国立大学から私立大学にシフトしています」(1:52:00)「私大のセンター試験受験者が受験者のボリュームゾーンだと……」(1:52:18)と発言されました。 しかしこの文科省の資料によると、「募集人数レベル」では、センター試験の受検者164699名のうち、センター試験を受けて入る私大の定員は63875人(38. 募集人数ではなく、実際に受検した人を国立大学、私立大学で分けるのもナンセンスです。 なぜなら、両方を受検する人がたくさんいるからです。 また、センター試験が個人に与える影響を議論しているので、私立大学の数で数えていることもないと思われます。 いずれにしても根拠となっているデータはよくわかりません。 (例2)「センター試験の成績(得点分布)は、ほとんどの科目でふたこぶらくだ化(2極化)している(1:52:28)」との発言でした。 この事実を確かめるためにもっともよいとされる大学入試センターで発表している資料は見つけられなかったので、駿台ベネッセのデーターネット2020を参考に分布を調べました。 その結果、少なくとも直近3年間はそのような事実はありませんでした。 この駿台ベネッセのデータは、2020年の大学入試志願者数557699人のうち436512人をカバーしていますから、全体の分布もそれほど変化していないと考えられます。 なお、データーネット2020はこちらから確認できます。 これ以外にも細かいところでは「記述式への問題意識を私が持ったきっかけは(中略)日本数学会の大学生数学基本調査、これ2011年に行ないました。 もちろん、これが違っていたとしても新井氏の発言の方向が狂うわけではありません。 このくらいにしておきますが、これらを取り上げた理由は、一般に言われていることや過去のこの会議での委員の発表と食い違うことを根拠に組み立てられていると思われたからです。 委員の中にも今回根拠とされた件にかなり詳しい人はいますから不思議に見えていたと思います。 指摘したいのは、新井氏の発言が間違っているというのではなく、正しいかどうかの確認が第3者に「できない」あるいは「困難」ということです。 新井氏は他の資料を見て発言している可能性もありますので誤りとは言い切れません。 しかし、過去の大学入試改革の会議では、間違ったデータのもとにして議論が進み、一部の人達に都合のよい方向に進められてきたので、エビデンスには非常に敏感で、必ず誰かがファクトチェックをします。 今回他の2人の研究者の方がそうしているように、資料の出典などを明記していただけたらよかったと思います 明記してくれているものもあります。 話は元に戻りますが、発言されたリテラシーに関する問題は重要な問題ですので、大学入試で問うという枠組みではなく、より大きな枠組みで普段の教育の中で扱うことが必要なものと感じました。 なお、発言の最後の方に、答を限定すれば記述式も可能という意見も出されました。 【質疑応答】 両角委員 読解力と記述式をセットでリテラシーと考えるのか? 小林委員 リテラシーテストも多肢選択式にできるか? 初期なら多肢選択式でも十分。 末冨委員 読解力については小学校から差が開いている。 埋め合わせ方についてエビデンスがあるか? 学校以外の影響をどう考えるか? 教科書が読めるようになるようにゼロベースで教えることが貧困サイクルをとめる。 それが義務教育の使命であると考える。 柴田委員 高校ではリーディングスキルが上がらないならば、高校の国語の授業はなんなのか? 国立大学では共通テストに資格試験的な意味があるのではないか? 共通テストについては資格試験的位置づけでよいと思う。 芝井委員 基礎学力を担保するテストが学びの基礎診断になってしまいテストの力がなくなって残念に思う。 同じように共通テストの組み換えは考えられるか? 共通テストは、多様な大学がある中で、学び続ける力の担保をする役割を担ってほしい。 大森昭生氏(共愛学園前橋国際大学学長 【概要】 地方の小規模な私学の大学という立場から意見を述べた。 理想として考える入試はあるものの、現実は国立大学の滑り止めとしての役割を果たしており、受験しやすい入試にせざるを得ない。 地元の高校とも連携しており、個々の学生が頑張ったことを見る入試にしたいと考えている。 共通テストの在り方だけでなく、大学入試全体の在り方についても議論してほしい。 【解説】 発言の中に、「この大学入試改革は、選抜性の高い大学を想定しているのではないか? 」というものがありました。 すなわち、定員割れをしている私立大学はあまり想定していないのではないかということです。 そのことも含め、共通テストは大学の多様性にも目を向け、偏りのない試験であることが重要ということになります。 現在、合格者を定員の1. 【質疑応答】 渡部委員 内部進学生と外部受験生あるいは入試の種別で学生の特徴に違いがあるか? 多様な学生がいる。 芝井委員 選抜性の高い大学と低い大学は分けて考えるべきと思うか? 分けて議論してもいいと思う。 小林委員 共通テストに望むことは何か? 受験者の母数が多く、私学にとってはありがたい。 最後に、この会議では、時間の都合で取り上げられなかったようですが、末冨委員から「拙速な9月入学・始業」の決定を避け、慎重な社会的論議を求める要望書が、萩生田大臣に提出されました。 次回の第8回の会議は6月5日に開催される予定です。 数学教育研究所代表取締役・認定NPO法人数理の翼顧問・予備校講師・作曲家。 小学校、中学校、高校、大学、塾、予備校で教壇に立った経験をもつ数学教育の研究者。 著書は30冊以上に及ぶ受験参考書と数学小説「数学の幸せ物語 前編・後編 」 現代数学社 、数学雑誌「数学の翼」 数学教育研究所 等。

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【英語4技能】2020年教育改革で「英語」はこう変わる!現在の小・中学生が知っておきたいポイントを整理 — SAPIX中学部 公式サイト

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2020年は大学入試改革の仕切り直しに向けた議論が活発になる見通しだ。 大学入学共通テストでの活用・導入の見送りが決まった英語民間試験や記述式問題の今後の扱いなどが焦点になる。 低所得世帯を対象にした高等教育の無償化が始まり、小中高校での新カリキュラム導入の動きも本格化するこの一年。 教育を巡る動きを展望した。 19年11月、萩生田光一文部科学相は大学入学共通テストでの英語民間試験の活用見送り決定を受け、こう語った。 大学入試センター試験は20年1月の実施を最後に幕を閉じ、21年1月には後継の共通テストが始まる。 しかし、目玉のひとつだった英語民間試験は頓挫した。 居住地域や経済状況による受験機会の格差などの課題を解消できなかったためだ。 都立桜修館中等教育学校で行われた「大学入学共通テスト」の試行調査(2017年11月、東京都目黒区) 文科省は有識者による検討会議を設け、20年末をめどに新たな英語入試の方法について結論を出すとしている。 実施は高校の新しい学習指導要領が共通テストに反映される24年度を目指す。 検討会議での議論の焦点は、いったんは見送りが決まった民間試験の活用の可否になる。 50万人超が一斉に参加するセンター試験や共通テストは英語の「読む・聞く」の2技能を測るので精いっぱい。 「書く・話す」を含む4技能を問うには、実施のノウハウが豊富な民間試験を活用するのが近道になる。 ただ受験機会の公平性確保などの道筋を付けない限り、民間試験活用のめどは立たない。 高校や大学には「大学入試センターが4技能を試す仕組みを作るべきだ」とする意見も根強く、議論は簡単には収束しないとみられる。 共通テストは、もう一つの目玉だった記述式問題も19年12月に見送りが決まった。 記述式は思考力や表現力を試すために国語と数学で導入する予定だったが、大量の解答を短期間で採点する際の質の確保が難しいとの懸念が噴出。 無期限で見送ることになった。 文科省は「まっさらな状態で対応したい」(萩生田氏)とし、英語入試のあり方と併せて検討会議で議論する方針だ。 一方、同省幹部からも「採点ミスを完全になくすのは困難」との声が出ており、共通テストでの導入は断念せざるを得ないとの見方が強まっている。 20年は、文科省が大学入試改革の第2弾の実施時期と位置づける24年度に向けた議論も加速しそうだ。 これまで同省は24年度に社会や理科での記述式問題の実施や、パソコンやタブレット端末で解答するCBT方式を新教科「情報1」に導入する案を示してきた。 文科省は「24年度以降の方針は21年度をめどに決める」とする。 しかし英語民間試験や国数の記述式問題の見送りを受けて24年度の改革も実現性などの点で厳しい目が向けられ、見直しを求められる可能性がある。 家庭の経済状況が苦しくても進学できる環境を作る狙いだ。 大学や短期大学、高等専門学校(4、5年生)、専門学校といった高等教育機関に通う学生への支援は、「授業料や入学金の減免」と、生活費をまかなう「返済不要の給付型奨学金の支給」が2本柱となる。 支援額は世帯収入や通う学校に応じて差がある。 授業料の減免の上限は国公立大で年約54万円、私立大で同70万円。 給付型奨学金は国公立大の自宅生が同35万円、自宅以外から通う私立大の学生は同91万円などとなる。 それぞれ住民税非課税世帯(年収270万円未満)は上限まで、300万円未満は3分の2、380万円未満は3分の1が支援される。 対象は20年度の新入生と在学生の両方になる。 高校生にはこれまであった「就学支援金制度」を拡充し、公立だけでなく私立でも授業料を実質的に無償にする。 対象は高校、高等専門学校(1~3年)、専修学校(高等課程)などだ。 就学支援金はこれまで年収約910万円未満の世帯の生徒に年11万8800円を支給してきた。 私立の場合、年収約590万円未満であれば年収に応じて同17万8200~29万7000円に増額。 20年4月からはこれを私立の授業料の平均額相当の同39万6000円まで一律で引き上げる。 新入生と在校生の両方に新制度が適用される。 2020年度に小学校、21年度に中学校で全面実施。 高校では22年度から順次導入される。 小学校ではプログラミング教育が必修になる(2019年3月、埼玉県の戸田市立戸田南小のプログラミング教育の様子) 小学校3、4年生では英語を聞いたり話したりして慣れ親しむ「外国語活動」を導入。 5、6年生は正式な教科にする。 「プログラミング教育」も小学校で必修となるほか、中学校でも新指導要領では技術・家庭科で学ぶ内容が充実する。 高校は22年度の新指導要領実施に向け、内容を先取りする移行措置が進む。 19年度から既に1年生の「総合的な学習の時間」が「総合的な探究の時間」に移行。 地域社会の課題解決に取り組む学習などが広がる見通しだ。 22年度には近現代の日本史と世界史を融合させた「歴史総合」の新設など科目再編が予定されており、20年はこれらの教科書づくりや指導方法の研究が進む見通しだ。 (佐野敦子).

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ここが問題! 大学入試改革における国語と英語|緊急特集! 入試改革|鳥飼 玖美子|webちくま

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2020年は大学入試改革の仕切り直しに向けた議論が活発になる見通しだ。 大学入学共通テストでの活用・導入の見送りが決まった英語民間試験や記述式問題の今後の扱いなどが焦点になる。 低所得世帯を対象にした高等教育の無償化が始まり、小中高校での新カリキュラム導入の動きも本格化するこの一年。 教育を巡る動きを展望した。 19年11月、萩生田光一文部科学相は大学入学共通テストでの英語民間試験の活用見送り決定を受け、こう語った。 大学入試センター試験は20年1月の実施を最後に幕を閉じ、21年1月には後継の共通テストが始まる。 しかし、目玉のひとつだった英語民間試験は頓挫した。 居住地域や経済状況による受験機会の格差などの課題を解消できなかったためだ。 都立桜修館中等教育学校で行われた「大学入学共通テスト」の試行調査(2017年11月、東京都目黒区) 文科省は有識者による検討会議を設け、20年末をめどに新たな英語入試の方法について結論を出すとしている。 実施は高校の新しい学習指導要領が共通テストに反映される24年度を目指す。 検討会議での議論の焦点は、いったんは見送りが決まった民間試験の活用の可否になる。 50万人超が一斉に参加するセンター試験や共通テストは英語の「読む・聞く」の2技能を測るので精いっぱい。 「書く・話す」を含む4技能を問うには、実施のノウハウが豊富な民間試験を活用するのが近道になる。 ただ受験機会の公平性確保などの道筋を付けない限り、民間試験活用のめどは立たない。 高校や大学には「大学入試センターが4技能を試す仕組みを作るべきだ」とする意見も根強く、議論は簡単には収束しないとみられる。 共通テストは、もう一つの目玉だった記述式問題も19年12月に見送りが決まった。 記述式は思考力や表現力を試すために国語と数学で導入する予定だったが、大量の解答を短期間で採点する際の質の確保が難しいとの懸念が噴出。 無期限で見送ることになった。 文科省は「まっさらな状態で対応したい」(萩生田氏)とし、英語入試のあり方と併せて検討会議で議論する方針だ。 一方、同省幹部からも「採点ミスを完全になくすのは困難」との声が出ており、共通テストでの導入は断念せざるを得ないとの見方が強まっている。 20年は、文科省が大学入試改革の第2弾の実施時期と位置づける24年度に向けた議論も加速しそうだ。 これまで同省は24年度に社会や理科での記述式問題の実施や、パソコンやタブレット端末で解答するCBT方式を新教科「情報1」に導入する案を示してきた。 文科省は「24年度以降の方針は21年度をめどに決める」とする。 しかし英語民間試験や国数の記述式問題の見送りを受けて24年度の改革も実現性などの点で厳しい目が向けられ、見直しを求められる可能性がある。 家庭の経済状況が苦しくても進学できる環境を作る狙いだ。 大学や短期大学、高等専門学校(4、5年生)、専門学校といった高等教育機関に通う学生への支援は、「授業料や入学金の減免」と、生活費をまかなう「返済不要の給付型奨学金の支給」が2本柱となる。 支援額は世帯収入や通う学校に応じて差がある。 授業料の減免の上限は国公立大で年約54万円、私立大で同70万円。 給付型奨学金は国公立大の自宅生が同35万円、自宅以外から通う私立大の学生は同91万円などとなる。 それぞれ住民税非課税世帯(年収270万円未満)は上限まで、300万円未満は3分の2、380万円未満は3分の1が支援される。 対象は20年度の新入生と在学生の両方になる。 高校生にはこれまであった「就学支援金制度」を拡充し、公立だけでなく私立でも授業料を実質的に無償にする。 対象は高校、高等専門学校(1~3年)、専修学校(高等課程)などだ。 就学支援金はこれまで年収約910万円未満の世帯の生徒に年11万8800円を支給してきた。 私立の場合、年収約590万円未満であれば年収に応じて同17万8200~29万7000円に増額。 20年4月からはこれを私立の授業料の平均額相当の同39万6000円まで一律で引き上げる。 新入生と在校生の両方に新制度が適用される。 2020年度に小学校、21年度に中学校で全面実施。 高校では22年度から順次導入される。 小学校ではプログラミング教育が必修になる(2019年3月、埼玉県の戸田市立戸田南小のプログラミング教育の様子) 小学校3、4年生では英語を聞いたり話したりして慣れ親しむ「外国語活動」を導入。 5、6年生は正式な教科にする。 「プログラミング教育」も小学校で必修となるほか、中学校でも新指導要領では技術・家庭科で学ぶ内容が充実する。 高校は22年度の新指導要領実施に向け、内容を先取りする移行措置が進む。 19年度から既に1年生の「総合的な学習の時間」が「総合的な探究の時間」に移行。 地域社会の課題解決に取り組む学習などが広がる見通しだ。 22年度には近現代の日本史と世界史を融合させた「歴史総合」の新設など科目再編が予定されており、20年はこれらの教科書づくりや指導方法の研究が進む見通しだ。 (佐野敦子).

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